突発性難聴/耳鳴り
突発性難聴/耳閉感/耳鳴りの症例
症例4 聴覚過敏 耳の圧迫感と高い金属音を聞くと頭に響く
患者
朝霞市 40代 女性
来院
2018年 7月
症状と来院理由
去年の年末から特定の音が頭に響く感じがで始めた。ここ2ヶ月ほど頭に響く感じが酷くなり「グワングワン」して目眩と気持ちの悪さまで出てくる。広い場所だと問題ないのだが、狭い空間だと症状が強く出る。特にフライパンとおたまが当たる「カン」とした音が響く。
耳鼻科を受診したが「耳管狭窄症」か「アレルギー」と言われ薬を処方されたが一向によく鳴る気配がない。
なんとかしたくネットで検索して「難聴専門」の当院に来院。
治療と経過
<一診目>
首、耳回り、背中の触診を細かく行うと特有の筋肉の緊張を確認できた。特に首の緊張が強かったので関連する足、腰、手のツボに鍼をすると緊張が緩和された。本人にも耳の変化を感じてもらえたのでこの日の施術を終了した。
週に2回のペースで二診目〜十診目まで同様の施術を行う。
二診目では少し気になる頻度が減り、気になる音の種類も減る。八診目では6割くらい症状が減る。
順調に推移していたが十一診目で首の硬さが強くなる。何か原因に心あたりがないか尋ねると「最近寝る前に仰向けで高さのかなりある枕を使ってiPadを使用している事が多かった」と聞いたので、改善する様指導した。
すると十二診目では症状がほとんど気にならないくらいに変化し、十三診目では1日のうちたま〜にしか響かない程に改善され「日常生活でもほとんど問題がない」と言われた。
本人の一度様子を見たいという希望があったので何かあったら直ぐに来てもらう様伝え、卒業となった。
その後半年ほどして様子を伺った所、症状が出ていないと返事をもらった。
主に使用したツボ
築賓R 飛揚R 合谷R 開魄R 空廖R 養老R
考察
発症から半年近く経っていたがしっかりと改善された症例。改善がうまく行った要因として首と耳周りの特徴的な緊張が強く出ていた。また生活の中で首を硬くする原因をしっかりと聞き出せた事も良い結果につながった。問診と触診の重要性を再確認した症例となった。
症例3 突発性難聴 耳鳴り、つまり感と回転性の目眩
患者
40代 女性
来院
2018年 7月
症状と来院理由
一週間前、突然右耳に耳鳴りと耳のつまり感を感じる。瞬きをする度に耳の奥に「もわーん」とした感じがあり酷くなると目眩(ぐるぐる、クラクラ)が起こる。
耳鼻科に行き調べてもらうが、聴力に関しては少し右が落ちているが、一般的なレベルの聴力で問題なしと言われる。耳鼻科ではメニエール病の薬が出た。
薬を飲んでも耳鳴りやつまり感が取れない。
不安になり以前通った事のある当院に来院。
治療と経過
<1診目>
首から肩にかけて、耳の周りに強い緊張を確認できた。特に首の前側、耳の周りに強い特有のコリも確認できた。
ふくらはぎ、臀部、足、の関連するツボに鍼をするとコリや緊張が大幅に軽減された。
<2診目>(3日後)
昨日から耳鳴りとつまり感はなくなる。代わりに低い音が二重に聞こえ、機械のモーター音が気になる。
首、顎、肩に緊張が残っていたので、手、足、背中のツボに鍼をすると緊張が大幅に軽減された。
3診〜5診目まで週に2回のペースで同様の施術を行う。
4診目で低音が二重に聞こえる回数が大幅に減る
5診目で低音は1日に1、2回ほど気になるくらい、モーター音は全く気にならなくなる。
日常生活で全く問題がなくなったので何かあれば来てもらうよう伝え、卒業となった。
同時に治療した症状
肩こり、顎の痛み
主に使用したツボ
地天R 足太陽R 築賓R 飛陽R 養老R
考察
発症から一週間の段階で治療をできた事が早期の改善に繋がった症例。
首、耳周りに特徴的な圧痛とコリを確認できたのも良かった。また顎の問題も問診を繰り返す事で本人が思い出して話してもらえたのがより良い結果に繋がった。
耳鼻科の薬が効かない場合どうすればいいか途方にくれる人が多い症状であるが、諦めずに早めの治療を行って欲しい。
症例2 一ヶ月前から始まった低音性難聴
患者
40代 男性
来院
2018年 1月
症状と来院理由
12月上旬から高音の「ピー」という音と低音の「こもっている感じ」、「飛行機のようなゴォー」となる耳鳴りが始まる。耳鼻科を受診する。カリシツゲナーゼ、メコバラシン、レバミピド、チザニジン、を処方されるが薬を飲まなくなると元に戻る。
何度も薬を飲んではよくなり、飲まなくなると元に戻るのを繰り返しているうちに薬では良くならないと思い、何か良い方法がないかとネットで検索し、当院を見つけ来院。
治療と経過
<1診目>
左の後ろの首筋から肩にかけて強い筋肉の緊張が確認できた。また耳周辺にも強い圧痛を確認できた。これらの緊張と圧痛を取るため手のツボに鍼をすると首の緊張、耳周りの圧痛が大幅に軽減された。
<2診目>(3日後)
前回の症状は軽くなっているが右が気になる。右の首、耳周辺の圧痛を取るために手と背中に鍼をすると圧痛は消失した。
3診目の段階で高音の「ピー」、「飛行機のゴォー」という音は減った。
同様の治療を3診〜9診まで続けるが、3月から花粉症が発症し症状が一度元に戻る。花粉症の治療を加えながら10診〜20診目まで首、肩、耳周辺、背中の緊張を取る治療を続ける。(3診目以降は週1回の治療ペース)
何度か症状の波はあったが21診目で1日で音がなくなる時間帯がかなり出てくる。
24診目で日常生活では全く耳鳴りが出なくなる。
それ以降も肩がもの凄く張ってこない限りは耳鳴りが出ることは一切なくなった。
一度様子を見ましょうと治療を一旦終了し、卒業となった。
その後別の症状で一年後に来院された際に、耳はあれから全く問題なくなったと言われた。
主に使用したツボ
合谷 外谷 養老 肩参 曲池 後谿 六谿 ニノ臀 大臀
考察
発症から1ヶ月の低音性難聴。左右両方の耳に症状が出ていた為触診を頼りに症状の強い側から丁寧に治療を行っていった。強いストレスや花粉症などの影響で大きな波があったが諦めずに丁寧に治療をしていったのが良い結果を産んだ。また本人の普段の仕草や姿勢からも肩甲骨や肘、顎等に強い負担がかかっていることも原因として考えれた事が良い結果に繋がった。週一回のペースでの治療の為時間はかかったが無事に症状が取れたのは本当に良かったと思われる。これからも丁寧な治療を心がけたい。
症例1 13年前から続く難聴と耳のつまり感(耳閉感)
患者
50代 女性
来院
2016年 8月
症状と来院理由
・電話の声は右耳では聞こえない
・「ぴー」って感じの詰まった感じがある
もともと別の症状で通われており、難聴が鍼に聞くと聞いて自分の症状もなんとかならないかと相談を受け、治療を開始。
治療と経過
<一診目>
問診時に週に2回の治療を基本とすることで良い結果を出すとこができる旨を提案したが、今回は患者様の都合により週に1回のペースでの治療となった。
耳の状態を確認すると右耳はほとんど聞こえない、また「ぴー」という耳鳴りのような詰まった感じ(耳閉感)がする。
まずは活法整体で肩、頸にかけての筋肉の緊張を緩和させた。
次に頸から肩周りにかけて触診を行うと筋肉の緊張が強い箇所を何箇所か確認できた。これらを緩める為手のツボに鍼をすると緊張が大幅に軽減した。
耳の状態を確認すると、「あまり変化はない感じ」と言われたが、原因と考えられる筋肉の緊張が大幅に緩んでいた為この日は治療を終了とした。
<二〜五診目>(週に1回のペース)
一診目と同様の治療を繰り返した。肩、特に頸の緊張は初めの時と比べると大幅に減少した。
<六〜八診目>(週に一回のペース)
前回から耳の聞こえやすさは「すこ〜しだけ良い気がする」。耳のつまり感(耳閉感)に関しては「ほとんどなくなった」とお言葉を頂いた。七診目にはつまり感はほぼなくなり「ぴー」という音の感じもほとんどなくなった。八診目で頸の緊張がほとんどなくなり耳のつまり感は完全に消失した。
それ以降の治療は患者様の都合により継続する事ができなくなり断念した。
主に使用したツボ
養老R 後谿R 太衝R 中渚R
考察
難聴は肩、頸の緊張筋肉の緊張による内耳への血流改善で良い結果が出る事が同じ技術を使用している先生方の症例で証明されている。(詳しくはこちら)
但し年数がたちすぎているものに関して聞こえるようになるまでは難しい場合が多い。今回のように10年以上経過しているもに関しては「耳が聞こえる」という状態になるまで良い結果を出す事ができなかった。自分自身の力不足に寄るところも当然ある。ただ、「耳づまり」「耳鳴り」に関してはしっかりと結果を残せた症例であった。「聞こえる」ことと「詰まっている感じ」は別のものとして見る事ができ年月がたっているものに関しても良い結果が出せた症例と言える。